コーパスを利用した非恩恵の「~てやる/~てあげる」についての一考察,关于使用语料库对表非恩惠的「~てやる/~てあげる」的考察
要 旨:以前から、受益補助動詞「~てやる/~てあげる」の用法として、典型的な恩恵を表す用法がある ほかに、非恩恵的な用法も確認されている。それについて、元来の「恩恵性」から派生した周辺的な ものと見なされる見解から、「~てやる/~てあげる」に内在する意義を探る方向へと、多くの議論が なされてきたが、この文法が備えている高文脈性と話者の感情、意図と結びづく可能性が高い特徴も 認められ、より的確に捉えるには従来の内省による判断と違った角度が要求される。本稿では先行研 究の成果を踏まえ、コーパス調査を主な手段とし、文に含まれる基本的な構成要素とその出現パター ンを分析する作業を行い、非恩恵を表す「~てやる/~てあげる」に内在する基本意義について新た な捉え方を試みた。
キーワード:~てやる/~てあげる;非恩恵;受影者;基本意義;コーパス調査
关于使用语料库对表非恩惠的「~てやる/~てあげる」的考察
摘 要:从较早时期起,表恩惠成为受益辅助动词「~てやる/~てあげる」的典型用法之外,该语法也有 不表恩惠的用法这一事实也得到确认。关于此点,从是原生的表恩惠用法派生出的衍生用法的观点,到 开始探索「~てやる/~てあげる」内涵的基本含义,语言学家各持己见,诞生出了各样的研究成果。 同时,该语法具备的对语境的高度依赖和与说话人情感,目的等有较强联系的特征也被人们所认识,为 了更加客观地认识该语法,需要从区别于以往通过内省来判断的角度进行研究。弊文在先行研究成果的 基础上,将语料库调查作为主要手段,对句子中包含的基本构成要素和出现情况进行分析,就探索「~ てやる/~てあげる」内涵的基本含义尝试了新的诠释方法。
关键词:~てやる/~てあげる;非恩惠;受影者;基本含义;语料库调查
目 次
1. はじめに 1
1.1 研究背景 1
1.2 先行研究の紹介 1
2. 「~てやる/~てあげる」文における基本的な構成要素 4
2.1 「~てやる/~てあげる」文の基本的な構成要素―受影者を中心に 4
2.2 視点の問題について 5
3. コーパス調査 6
3.1 調査結果の説明 6
3.2 結果分析 7
3.2.1 ③が b+/b-:恩恵性の「~てやる/~てあげる」 7
3.2.2 ③が:a+/a-:意志性の「~てやる/~てあげる」 8
3.2.3 ③が c*:目標達成に必要な行動 9
3.3 非恩恵を表す「~てやる/~てあげる」の基本意義 10
4. 終わりに 11
参考文献 12
1. はじめに
1.1 研究背景
授受表現には、物が与え手から受け手へ移動することを表す「やる/あげる」「くれる」「もらう」 のほかに、行為の授受を表す動詞の後につく「~てやる/~てあげる」がある。その基本的な意味と して、て形の基幹動詞によって表される行為が他人のためにする行為で、その行為によって利益・恩 恵が他人に与えられることを表すと言われている(山橋 2002)。しかし、利益や恩恵の用法に当てはま らないいわゆる非恩恵を表す用法も見られる。例えば、
(1)その水の量に対して 100 万分の 10 の DTT か、100 万分の 1 のリンデンを 流してやる。
(豊田豊子 1974:99)
(2)腹が立つのでどなりつけてやった。
(3)ぼくは、ボロージャよりも、もっと高く登ってやるぞ。
のように、動作の受け手がその動作から利益や恩恵を得たと言えない場合(例 1)と、利益や恩恵どこ ろか動作の受け手に不利益や悪影響をもたらす場合(例 2)と、自己の意志・主張を表す場合(例 3)にも