2日本武士階級の形成

主従関係は武家社会の内部は支配地位の社会関係―経済関係、武士団の最も重要な関係は武士の主従関係である。主従関係が主君の御恩と家臣の奉公として主な内容である。すなわち、武士団の内部主君と家臣の関係である。軍事上の将兵関係で、政治上の君臣関係で、経済上の恩賞関係で、社会上の親子関係など。主従関係は武士の社会実踐の中で形成された、だから武士の主従関係を解明するのは、まず武士の形成を明らかにする。

2.1武士と武士団の形成

武士身分成立の時期はいつであろうか。すでに一二世紀初頭に成立した「今昔物語集」には、いままでにも紹介してきたようなおくの「兵」たちの説話が収められている。そのなかでは「兵の家」とか、｢家をつぎたる兵｣などの表現が多くみられ、当時すでに｢兵｣の家として社会的に認められていた家系のあることをしめいしている。したがって「今昔」のなかでは、「兵」は武力を生活の基盤におく一定の階級·技能の所有者としてとらえられているのことである。つまり｢今昔｣成立の時点ではもうすでに一定の身分としての「兵」の成立を語ることができるのである。

11世紀前半の活躍した学者藤原明衡の著作とされる｢大名田堵·天下第一の武者｣も登場してくる。当時の「兵」の特技が騎射中心であったころをうかがわせる。武士は社会的身分であると同時に、武芸という芸能を家業とする職業的な身分であるとも規定できる。つまり、馬上の射術や合戦の作法を継承する家に生まれ、それを継いだ人物が武士であると言えるのである。

天平15年（743年）、朝廷が効果的に収税を行うべく発布した『墾田永年私財法』の施行により土地私有が公認されたことに由来し、古来の豪族や有力農民などが土地を私有するようになったが、酷使による厳しい徴税を回避すべく有力地主たちは公卿に土地の一部を寄進し、荘園の荘官（開発領主）としての地位を得たことが契機であった。9世紀初、荘園は日本社会に大量に出現している。封建的な荘園領主は購入、合併、寄進するを通じて荘園の規模を拡大させる。荘園の普遍的な出現に伴って、荘園間の矛盾や闘争が増えてきた。荘園領主は荘園を拡大するために、よく自分荘園の庄民に他人の領地へ開墾·種田して新しい荘園を創立する。どこまでも公私田を侵占ている。荘園領主は自分の利益を保護するために、この荘園の一部庄民が武装てきた；各大寺や神社も武装したー僧兵。外来の侵占と干渉を抵御である。彼らは主に農業を主としてから徐々に武力に変えていく、農業生産が完全に脱した。荘園と対外戦争を保護になったであった。これらの武装した庄民と僧兵は最初の武士である。武士階級が歴史の舞台に登ってきた。このように、武士の形成は中央集権の崩壊と荘園経済制度の発展に分けてはならない。

しかし，立場の弱い豪族の土地はしばしば領地争いや，中央からきた国司や国主の代理である目代によって領地をおびやかされていました．そこで親戚同士や一族で結束を強め自分たちの土地を守るために武装しました．これが武士の始まりであり武士団の始まりなのです．さらに武士団同士が結びつくときには自分たちよりも身分の高い人物をリーダーに選びました．それらが源氏や平氏というわけです．彼らのことを武士の棟梁といいます．となりとの境界争いや役人との争いが多かったこの時代，「自分達の土地は自分達で守る」という有力な農民が出てきました．これが武士のはじまりです．彼等はより有力な人と主従関係（主人と家来の関係）を結んで武士団を作っていきました。この関係は後日、武士集団内部関係の重要な思想の柱になっている。その後も武士道の思想源の重要な構成部分になる。