3箸の特徴と種類 3.1中国では 中国の箸は長く、先が丸い。真四角の棒が先端に行くと丸く削られ、細くはなっていない。形状は一方からもう一方までほ
3箸の特徴と種類
3.1中国では
中国の箸は長く、先が丸い。真四角の棒が先端に行くと丸く削られ、細くはなっていない。形状は一方からもう一方までほぼ同じ太さの、「寸胴型」である。素材には木、竹、金属、陶器、玉、七宝、ガラス、動物の骨、象牙などあらゆるものが用いられる。
3.2日本では
日本の箸持つ部分は四角いのが一般的だが、丸や五角形、六角形、七角形、八角形、十六角形などの形状や、手で削ったものなどさまざまだ。
日本の箸の種類にはいろいろあるが、「材質別」「使用目的別」に分類すると次のようになる。
表3.2日本の箸の種類表
用途 材質、形状、寸法
祭祀(仏事用) 形状:“中太両細”の「両口箸」
長さ:八寸
食事(個人用)
(来客用)
(食卓用) 形状:“天太先細”の「片口箸」
木製の割り箸、竹の割り箸
取り箸
調理(料理) 「真魚箸」と「菜箸」
茶事 「取り箸」、「黒文字の箸」、「竹箸」、「塵箸」
生活 家庭用の金属製「火箸」や「衛生箸」がある
晴れの箸 神事、正月、祝儀などに使用する箸を「晴れの箸」という
3.3箸の種類と外観から見る日本と中国の文化の差異
第一に、中国箸は長い。食卓の中央に料理が置かれているため、それが取りやすいように長くなっているのだと考えられる。中国では、食事は個人的行動ではなく社会的行動だと考えられており、一つの料理を皆で一緒に食べられることが魅力なのであろう。箸は料理を通してお互いの心を通じ合わせ、人と人の結束を深め、人の心を橋渡しする役割も果たしているのである。これは、直箸を嫌う日本人とは対照的である。日本人から見ると、大皿の料理をそれぞれの箸で取り分けたり、同席者に取って上げたりすることは好まれないことであり、汚れが移るとも考えられている。日本の箸が短いのは、日本の食事ではそれぞれのお膳に配置されているため、箸を伸ばして遠くから持ってくる必要がないからである。