日本折扇文化探析(3)

3.3扇の機能 扇の起源に見ると、扇の一番の機能は風を送るものである。それ以外に扇が多い機能がある。礼儀として、笑う時に齒が見えないように口


3.3扇の機能

 扇の起源に見ると、扇の一番の機能は風を送るものである。それ以外に扇が多い機能がある。礼儀として、笑う時に齒が見えないように口を隠すという機能がある。また、扇は芸能・諸芸道の持ち物である。将棋や囲碁の対局時、棋士が考える際に、よく手で扇を開け閉めしている。また、扇も人を叩く機能がある。落語で自分の頭を叩くあるいは踊りの師匠が弟子をたしなめるのに、手ではなく扇子を使って頭を叩く。また、扇は応援と贈答の機能がある。

4日本の扇の現状

4.1日本の扇の現状、京扇子を例とする 

 扇子の起源は中国である。しかし、扇は日本の職人は中国の団扇を基づいて作られる。このような扇は竹や木を骨にして一端に軸を通して要とし、それに紙を張り折り畳めるようにしたものである。次は京扇子を例として日本の扇の現状を研究する。京扇子の歴史は古く、平安時代の初期に当時筆記用具に代えて使用されていた木簡から派生し、京都で作られたの始まりである。現存されている最古の扇は、元慶元年と記された京都東寺の千手観音像の腕の中から発見された檜扇である。扇の誕生以来1200余年、京扇子は歴史と伝統的手法を変える事なく、その優雅で風雅な姿を現代に伝えてきた。京扇子は夏で涼を取る目的よりも、貴族の象徴として、儀礼的に用いられていていた。京扇子は、表面的な美しさだけではなく、風合い・持ち味等、実用品としての様々な美を持ち、非常に多くの種類があり、形状・素材など用途に応じた美のかたちが追求する。京扇子の製造は細かく分けられ、その各工程は分業によって行われている。しかし、伝統の技術の結晶である産物は文明の進化によって、今日の生活感覚に合わなくなってきているものも少なくない。産地が古来から固守してきた産地構造が足かせとなり、そうした新しい購買層を捉え、販路拡大のための抜本的な体質改善を図れず、構造的に年々縮小化する従来型の購買層の購買力に依存し、産地の減退をうながしている。京扇子はほかの伝統工芸のように苦境に陥る。この時、日本人はこの問題を意識して策略を制定する。まず、生業型から企業経営型へ転換する。次はマーケティング機能を強化する。。伝統的芸術・工芸品や使用分野が特定される商品「茶華、香道、能楽、歌舞など」の生産部門は別として、それ以外の夏扇を中心とした大方の商品は、常に前売りのニーズの変化を把握し、そのニーズを先取りした商品を供給していくことが求められる。最後は新製品開発・新分野へ展開する。これは中国製品参入への対応の策である。今はグローバル化の進展の中で、中国製品の参入が相次いでいる。日本は内需ばかりでなく海外市場への展開も新製品の開発と合わせ進める。さらに観光のメッカ京都に立地する産地として、観光を視野に入れた商品開発を強化する。

4.2ほかの国の扇の現状

 中国の扇子は種類がいろいろある。地域によって蘇扇、杭扇、寧扇、川扇、京扇などがある。その中に蘇州の扇は作りが一番丁寧だ。したがって、雅扇とも言われる。次は蘇扇を例として中国の扇子の現状を研究する。蘇州は歴史が長い城である。紀元514年に築くから中国の江南地区の経済と政治の中心部である。蘇州はしっかりした文化の基礎と良い環境と独特な社会風情とは蘇扇の繁盛と発展に条件を提供する。これによって蘇扇は蘇州の手工業に輝かしい珠になる。しかしながら、現代で蘇扇は苦境に陥る。まずは、現在は落ち着いて製扇を学ぶ青年は多くない。そして、蘇扇の職人はもう年を取る。また、現代の機械生産は伝統の手工業に強い衝撃を与える。したがって、今は蘇扇を保護しないと蘇扇は伝承が絶える可能性がある。蘇扇を保護するために政府、職人と個人と共同に努力しなければならない。2006年に蘇扇は国家の文化遺産センターに選ばれた。これは蘇扇の承認を代表する。これをきっかけに政府は蘇扇を振興すると希望する。